3編01章02節

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民法第一編第二編第三編(明治29年法律第89号)

第三編 債権

第一章 総則

第二節 債権ノ効力

第412条
  • [I] 債務ノ履行ニ付キ確定期限アルトキハ債務者ハ其期限ノ到来シタル時ヨリ遅滞ノ責ニ任ス
  • [II] 債務ノ履行ニ付キ不確定期限アルトキハ債務者ハ其期限ノ到来シタルコトヲ知リタル時ヨリ遅滞ノ責ニ任ス
  • [III] 債務ノ履行ニ付キ期限ヲ定メサリシトキハ債務者ハ履行ノ請求ヲ受ケタル時ヨリ遅滞ノ責ニ任ス

【参照】

第413条
  • 債権者カ債務ノ履行ヲ受クルコトヲ拒ミ又ハ之ヲ受クルコト能ハサルトキハ其債権者ハ履行ノ提供アリタル時ヨリ遅滞ノ責ニ任ス

【参照】

第414条
  • [I] 債務者カ任意ニ債務ノ履行ヲ為ササルトキハ債権者ハ其強制履行ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但債務ノ性質カ之ヲ許ササルトキハ此限ニ在ラス
  • [II] 債務ノ性質カ強制履行ヲ許ササル場合ニ於テ其債務カ作為ヲ目的トスルトキハ債権者ハ債務者ノ費用ヲ以テ第三者ニ之ヲ為サシムルコトヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但法律行為ヲ目的トスル債務ニ付テハ裁判ヲ以テ債務者ノ意思表示ニ代フルコトヲ得
  • [III] 不作為ヲ目的トスル債務ニ付テハ債務者ノ費用ヲ以テ其為シタルモノヲ除却シ且将来ノ為メ適当ノ処分ヲ為スコトヲ請求スルコトヲ得
  • [IV] 前三項ノ規定ハ損害賠償ノ請求ヲ妨ケス

【参照】

第415条
  • 債務者カ其債務ノ本旨ニ従ヒタル履行ヲ為ササルトキハ債権者ハ其損害ノ賠償ヲ請求スルコトヲ得債務者ノ責ニ帰スヘキ事由ニ因リテ履行ヲ為スコト能ハサルニ至リタルトキ亦同シ

【参照】

第416条
  • [I] 損害賠償ノ請求ハ債務ノ不履行ニ因リテ通常生スヘキ損害ノ賠償ヲ為サシムルヲ以テ其目的トス
  • [II] 特別ノ事情ニ因リテ生シタル損害ト雖モ当事者カ其事情ヲ予見シ又ハ予見スルコトヲ得ヘカリシトキハ債権者ハ其賠償ヲ請求スルコトヲ得

【参照】

第417条
  • 損害賠償ハ別段ノ意思表示ナキトキハ金銭ヲ以テ其額ヲ定ム

【参照】

第418条
  • 債務ノ不履行ニ関シ債権者ニ過失アリタルトキハ裁判所ハ損害賠償ノ責任及ヒ其金額ヲ定ムルニ付キ之ヲ斟酌ス

【参照】

第419条
  • [I] 金銭ヲ目的トスル債務ノ不履行ニ付テハ其損害賠償ノ額ハ法定利率ニ依リテ之ヲ定ム但約定利率カ法定利率ニ超ユルトキハ約定利率ニ依ル
  • [II] 前項ノ損害賠償ニ付テハ債権者ハ損害ノ証明ヲ為スコトヲ要セス又債務者ハ不可抗力ヲ以テ抗弁ト為スコトヲ得ス

【参照】

第420条
  • [I] 当事者ハ債務ノ不履行ニ付キ損害賠償ノ額ヲ予定スルコトヲ得此場合ニ於テハ裁判所ハ其額ヲ増減スルコトヲ得ス
  • [II] 賠償額ノ予定ハ履行又ハ解除ノ請求ヲ妨ケス
  • [III] 違約金ハ之ヲ賠償額ノ予定ト推定ス

【参照】

第421条
  • 前条ノ規定ハ当事者カ金銭ニ非サルモノヲ以テ損害ノ賠償ニ充ツヘキ旨ヲ予定シタル場合ニ之ヲ準用ス

【参照】

第422条
  • 債権者カ損害賠償トシテ其債権ノ目的タル物又ハ権利ノ価額ノ全部ヲ受ケタルトキハ債務者ハ其物又ハ権利ニ付キ当然債権者ニ代位ス

【参照】

第423条
  • [I] 債権者ハ自己ノ債権ヲ保全スル為メ其債務者ニ属スル権利ヲ行フコトヲ得但債務者ノ一身ニ専属スル権利ハ此限ニ在ラス
  • [II] 債権者ハ其債権ノ期限カ到来セサル間ハ裁判上ノ代位ニ依ルニ非サレハ前項ノ権利ヲ行フコトヲ得ス但保存行為ハ此限ニ在ラス

【参照】

第424条
  • [I] 債権者ハ債務者カ其債権者ヲ害スルコトヲ知リテ為シタル法律行為ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但其行為ニ因リテ利益ヲ受ケタル者又ハ転得者カ其行為又ハ転得ノ当時債権者ヲ害スヘキ事実ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス
  • [II] 前項ノ規定ハ財産権ヲ目的トセサル法律行為ニハ之ヲ適用セス

【参照】

第425条
  • 前条ノ規定ニ依リテ為シタル取消ハ総債権者ノ利益ノ為メニ其効力ヲ生ス

【参照】

第426条
  • 第四百二十四条ノ取消権ハ債権者カ取消ノ原因ヲ覚知シタル時ヨリ二年間之ヲ行ハサルトキハ時効ニ因リテ消滅ス行為ノ時ヨリ二十年ヲ経過シタルトキ亦同シ

【参照】